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やまと建築詩

航空自衛隊幹部候補生学校大講堂(奈良市)

当初は国民勤労訓練所

 航空自衛隊幹部候補生学校(稲葉憲一校長)は昭和32年3月に開設された。航空自衛隊の幹部自衛官候補者を教育する全国で唯一の学校。幹部自衛官としての資質を養い、初級幹部として職務を遂行するための知識や技能を修得する教育を行っている。

 大講堂の完成は昭和16年。当時の厚生省が「西部国民勤労訓練所」として開設したもので、当時も大講堂として利用されていた。西部国民勤労訓練所は当時、多数あった中小商工業者に対し軍服や弾薬などの軍需産業の職業訓練を行うところだった、という。

三角屋根が特徴の大講堂

▲教会のような三角屋根が特徴の大講堂。
米軍に接収されていた時には教会として使われた時もあった

 大講堂など同訓練所は終戦後、進駐してきた米軍がキャンプ奈良E地区として接収。昭和31年まで約11年間使用された。接収終了後、浜松(静岡県)から防府(山口県)へ移転独立したばかりの航空自衛隊幹部候補生学校が浜松の英語教育隊と合併し奈良に移転開設した。

 正門から入ると右手に警備隊の旧隊舎が見える。大講堂はもっと奥で、学校本部や学生隊舎を通り過ぎ、中央訓練所の向こう側に姿を現す。米軍キャンプ時代はチャペルとしても使われた建物は、大きな屋根が特徴。玄関から中に入ると講堂は室内に柱がない広い空間となっている。建物の手入れは十分されており、今も入学式や卒業式などに使われている。二階には現在は使われていない映写室がある。黒く塗られた壁には「ノースモーキング」などと英語で書かれた文字が米軍が使用していた名残を留めている。

講堂内部

▲赤いじゅうたんと特徴的な天井の
講堂内部。現在も入校式や
卒業式などの儀式に使用されている

映画の映写室

▲今は使われていない古い映写機が残る映画の映写室。
黒い壁にはペンキで英語が書かれ米軍接収時代の名残を留める

 講堂では昭和40年代ぐらいまで、隊員慰労のため映画上映なども行われていた。同校教務課の福田吉則空曹長(52)も当時、映画を見た一人。「真珠湾攻撃で総指揮をとった淵田美津雄海軍大佐の講演と、映画『トラ・トラ・トラ』を見たことが印象に残っています」と当時を振り返る。

同校内には米軍が建設した建物など古い建物もいくつか残っている。徐々に建て替えも行われているので、いずれ同校の歴史を物語る建物たちもなくなる日が来るのだろうか。

DATA

● 航空自衛隊幹部候補生学校大講堂 ●

奈良市法華寺町1578

講堂は現在も入校や卒業式などの式典を中心に使用している。
見学希望の場合は事前に日時などを広報室と相談。
見学は平日のみ。

【問い合わせ】
電話:0742-33-3951(代表)

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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