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やまと建築詩

江戸川ならまち店【宮島家】(奈良市)

豪商の夢刻む糸屋格子

 明治初期に絹布や麻布の卸商を営み、奈良市内屈指の豪商だった関藤次郎氏が建築した商家がこの建物。戦後、呉服卸商や毛織物商を営んでいた宮島善冶氏が関家からこの建物を譲り受けた。

 一本の太格子に二本の細格子を組み合わせた糸屋格子が、代々繊維業を営んできたこの家の歴史を物語る。

洋風建築が浮かび上がる

▲辺りが暗くなるころ、照明に照らされた大正時代の洋風建築が浮かび上がる

 県内や大阪をはじめ三重や京都の一部も商圏としていた宮島家の営む繊維卸売業は、呉服需要の低迷や時代の変化により自主廃業した。

 さらに築約130年のこの商家も、横を走る道路の拡幅により呉服の仕入れ客接待するための2階建て座敷棟や茶室、依水園(奈良市)に似せた庭園などが撤去された。

内部が改装された蔵

▲内部が改装された蔵。
店舗として活用することで建物が活用された

洋館の応接室

▲建物内部に大正時代の面影を
存分に残す 洋館の応接室

 現在残る建物は母屋と店の部分で、往時の4割程度となった。だが、残された部分には、竜と虎を描いた戸板や箱階段、大正時代に建てられた洋館造りの応接間、店蔵など見どころは多い。

 宮島家は、この貴重な商家を残そうと考えていたところ、料飲チェーン店などを営む近鉄観光(本社・大阪)と考えが合致。同社の経営する鰻(うなぎ)料理店「江戸川」と「酒房蔵乃間」として3月にオープンした。建物内は店の間と母屋を客室として利用した「江戸川」と店蔵を利用した「蔵乃間」の2店舗が同居。洋館の応接間も客室として利用するなど、建物を生かした活用を行っている。


DATA

● 東京風鰻料理店「江戸川」、酒房「蔵乃間」 ●
(宮島家)

奈良市下御門町43

東京風鰻料理を中心に奈良の味覚、茶粥(ちゃがゆ)や和風デザート、創作会席料理などが楽しめるレストランと、蔵を利用した店内でお酒や料理が楽しめる酒房として使用中。
明治の和風建築と大正の洋風建築の中で料理が味わえる。

【問い合わせ】
電話:0742-20-4400

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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