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やまと建築詩

旧鹿沼家住宅(大和郡山市)◎県指定文化財

町家特有の端正な概観

 鹿沼家はもと、大和高田市永和町にあった。この地は旧横大路(長谷街道)と下街道の交差する交通の要地で宿場や商業で栄えた地域だった。同家は旧横大路北側で代々米屋を営んでいた。建物の建築年代は「請取普請状(うけとりふしんじょう)」から文化9(1812)年の建築と判断されている。

 大和郡山市の県民俗公園へ移築完了したのは昭和54年3月30日で、県の指定文化財になったのは1年後の昭和55年3月28日。

 旧鹿沼家の外観は、切り妻造りで正面、背面に庇(ひさし)を付け外部に白漆喰(しっくい)、2階の両端に袖(そで)壁、表側の庇部分に格子、2階中央に出格子を設けるなど町家特有の姿をよく表している。端正な住宅だ。

暖簾が店と居住部分を分ける室内

▲暖簾が店と居住部分を分ける室内

 内部は、「ミセニワ」に入ると暖簾(のれん)がミセと住居部分を分けている。ミセニワの右側が米俵を並べた「シモミセ」。左側の住居部分は4畳の部屋が4つ並ぶ4間取りに3畳の「トリツキ」が付いた5室となっている。3畳の部屋には「トコ」と「ブツマ」を付けている。

 2階には箱階段で上り下りし、当時は物置として使われていたと推測される。また、1階奥の「カママエ」にはカマドや流しが設けられ、天井には煙出しをあけ小屋根を乗せている。
日本家屋は本来、春、夏、秋に過ごしやすくできている。冬の寒いときはカマドで家を暖めたらよいという合理的な理由らしい。

奥に格子が見える商家らしい建物

▲奥に格子が見える商家らしい建物。中央には2階へ上がる箱階段もうかがえる

 取材を行ったこの日も暖かく、建物内部を風が心地よく通り抜けていった。民俗公園には花が多く植えられており、これから楽しめそうだ。

瓦屋根と白漆喰の壁

▲瓦屋根と白漆喰の壁、格子が形作る端正な商家の姿


DATA

● 県指定文化財 旧鹿沼家住宅 ●

大和郡山市矢田町545県立大和民俗公園内

見学時間は午前9時から午後4時まで。

月曜と年末年始は休館。見学は無料

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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