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やまと建築詩

日本聖公会奈良基督教会宅(奈良市)

景観に配慮、和風の外観

 境内西側に隣接する地に、この教会はある。東向商店街のにぎわいも教会の長い石段を登るにつれて聞こえなくなる静かな場所。東には興福寺南円堂、南には三重塔が見える。現在の奈良教会は昭和5年に建築されたもので、周囲の景観に配慮して日本でも珍しい和風の外観をもつ教会として建てられた。以来、70年余り大切に使われている。建物は平成9年に南都銀行と共に県下で初めて登録文化財に指定された。

 奈良教会は16世紀にカトリック教会から分離・独立した英国国教会の流れをくむ日本聖公会に属する。日本での活動は安政6(1859)年からで、奈良での活動は明治18年に開始。以来、移転・新築を経て昭和5年に現在地で完成した。

教会

▲クリスマスを前に花などで飾られた教会

 同教会の資料によると、当時、奈良では明治27年に建てられた純洋風の帝室奈良博物館(現在の奈良国立博物館)が、古都の景観にそぐわないと酷評されたため以後、少しの例外を除いて和風の外観を採るようになっていた、という。

 設計は同教会の信徒で宮大工の大木吉太郎さん。キリスト教会の建築様式と日本建築の特徴を巧みに融合させた建築物。入り母屋破風(はふ)と千鳥破風を組み合わせた日本瓦(かわら)ぶきの外観。内装は神社風に吉野杉の白木の柱や、数寄屋の要素も交えた和風の建物で、欄間には密教の雲形を用いている。

入り口側から見た内陣

▲入り口側から見た内陣。高窓から夕日が差し込み神聖な雰囲気が漂う

 だが、縦長の堂内空間や高窓(クリアストーリー)など基本的な構成は西洋のキリスト教会建築の定石のまま。また、七宝細工の十字架や隅瓦の意匠などに古都奈良にふさわしく適応した姿が見られる。登録文化財は、長年、この当初の目的通り教会として使用されていることを評価されたもの。特に内装は磨かれ美しく輝いている。

 通常は日曜日の礼拝や結婚式、葬式などに使われている。24日はクリスマスの礼拝が午後7時から行われる。

夕暮れ十字架

▲日本瓦と十字架がこの教会の特徴といえる

DATA

● 日本聖公会奈良基督教会 ●

奈良市登大路町45

1997年に登録文化財に指定。
現在も礼拝堂として使用している。見学は可能。

【問い合わせ】
電話:0742-22-3818( 司祭は古賀久幸さん)

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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