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やまと建築詩

民家・旧松井家住宅(大和郡山市)

空に映える萱葺き屋根

 今年の夏は、最高気温が35度を超える日も多く例年になく酷暑となった。家庭や店舗などでは、どことも冷房がフル稼働。そんな暑い1日、大和郡山市にある旧松井家を訪ねた。

 大きな茅葺(かやぶき)きの屋根。玄関から入ると冷房が効いているのではないか、と思うようなひんやりとした空気が漂う。大きな屋根はそのまま断熱材に、開け放たれた障子や入り口からは風が自由に通り抜ける。現代の密閉された住宅とは明らかに違う「家」は日本古来の知恵と言える。

茅葺き屋根

▲青空にくっきりと浮かぶ夏雲を背に
たたずむ入り母屋造りの茅葺き屋根

 現代の住宅は大きな窓から入る光や眺望を売り物とすることも多いが、旧松井家は庭に反射して入る間接光が明かりの元となるため、薄暗いが心地のよい明るさだ。

 この住宅は、もとは室生村上笠間にあった農家。解体中に発見された文政13(1830)年3月の祈祷札(きとうふだ)や間取り、構造などから、そのころの建築とされている。

 入り母屋造りの茅葺き屋根は素朴な印象を与える。特徴は間口方向に食い違う4間取りで、前座敷型3間取りから発展した間取り、という。

 また、居室裏側の床が簀の子(すのこ)床となるなどこの地方の民家の変遷をよく表している。

土間に見える構造材

▲土間に見える構造材には
太い立派な木も


なかのま

▲割り竹が敷き詰められた「なかのま」には、
庭から風や光が心地よく入る

DATA

● 旧松井家住宅 ●

大和郡山市矢田町545県立大和民俗公園内 見学時間は午前9時から午後4時まで。

月曜と年末年始は休館。

見学無料。

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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