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やまと建築詩

奈良女子大旧本館(奈良市) ◎重要文化財

重厚で優雅な空間演出

 白壁とグレーの柱の美しい対比、屋根の中央に設けられた頂塔(ランタン)や明かり取り窓など、奈良女子大旧本館は重厚で、メルヘンチックな外観を持つ建物として知られる。建物は明治42年に完成。平成6年に改修工事が行われ、同年に重要文化財に指定された。

 奈良女子大は明治41年に奈良女子高等師範学校として設置、同42年5月1日から授業が開始された。この本館は同42年2月から着工し同年10月に完成した。本館を中心に囲むように4つの教室棟も作られたが現在、創立当時の建物で残るものは旧本館と守衛室、正門。3点ともに重要文化財に指定されている。

奈良女子大旧本館

▲明治の洋風建築として知られる奈良女子大旧本館。
ヨーロッパ調の清楚な建物がひっそりと建つ

 旧本館は木造総2階建て。外壁は2階窓下部分までが板張り。それ以上を漆喰(しっくい)壁としている。ハーフティンバー形式の壁で、白壁に柱などの構造物が浮かぶ。車寄せのある玄関から1階に入ると十字形の廊下がある。部屋割りは当初と変わりないものの、1階の部屋はほとんどが学校の歴史を伝える展示室などになっている。

一階展示室の天井

▲古い歪みのあるガラス越しに見る
一階展示室の天井。
花形の飾りなど、ここにも凝った意匠が

 ゆるやかな勾(こう)配の階段を昇り2階講堂に向かう。2階部分のほとんどを使う講堂には柱が1本もないことに驚く。1段高くなった天井は木造トラス構造により天井を支える。その構造は剥(む)き出しの数本の横木により知ることができる。各部分にはさまざまなデザインも施され優雅な空間を演出する。

 平成6年の改修工事では、「文化財建造物は快適に利用されてこそ、その保存が価値高いものになる」との考えから冷暖房の空調設備や2階講堂の床暖房、照明設備の補充、トイレの新設など快適性の充実を図りながら建物は建築当初のまま補修が図られた、という。

講堂

▲柱がない広々とした講堂。
1段高くなっている中央部分に換気口があり
熱気が自然に外へ逃げるよう工夫されている


DATA

● 奈良女子大学 旧本館 ●
(旧奈良女子高等師範学校)

奈良市北魚屋西町
現在、講堂として入試や入学式、学会などで使用している。
記念館の一般公開は毎年春と秋の2回。
次回は11月上旬の予定。
また、学術的利用に限り一般の利用もできる。

【問い合わせ】
同大学事務局総務課、電話:0742-20-3220

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真と文 本紙・藤井博信(日本写真家協会会員)

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