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国原譜

富山市の機械メーカーの会長が「富山で生…

 富山市の機械メーカーの会長が「富山で生まれた人は極力採らない」と記者会見で発言し、波紋を呼んでいる。同県出身者は「閉鎖的な考え方が非常に強い」というのだ。

 本県から遠い県なので、県民性には詳しくない。しかし、富山といえば全国に薬を売り歩いた配置薬の産業で知られる。一様に閉鎖的と指摘するのは奇異な気がする。

 奈良の県民性は「温厚、のんびり」とされることが多い。それによって企業の担当者から「競争に向いていない」と採用されないようなものだ。

 個人個人をひとくくりにして、あるステレオタイプのレッテルをはるのは、とんでもない危険な考え方だ。イスラム教の国イコールテロリストもそうである。

 イラン人監督ファルハディ氏の映画「セールスマン」を見た。近代化する首都テヘランを舞台とした心理サスペンス。「イスラム独特の風習、生活があるのでは」との先入観が吹き飛んだ。

 都市に暮らす人々は、我々と同じように働き、苦しみ、悩み、笑い、涙する。“イスラム逆風”の米国でアカデミー外国映画賞に輝いたのは、良識の勝利だろう。(栄)

 

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