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国原譜

懐に手を突っ込まれるような、と言えばい…

 懐に手を突っ込まれるような、と言えばいいのだろうか。組織的犯罪処罰法の改正案が衆院を通過した。「共謀罪」法案といわれるように、2人以上による犯罪計画は「準備行為」で罰せられる。

 何が準備行為に当たるのか、国民に対する監視の目が強まることにならないか、運用上の不安定要素は残されたままだ。

 共同通信社の世論調査では、政府の説明を「十分とは思わない」とする回答が77・2%を占めた。決して軽視できる数字ではない。改正案自体に対する反対も、賛成を上回った。

 政府は今国会で成立を目指す考えだが、国民の理解が得られているとは言い難い。数の論理で押し通ってよいものでないことは、与党も十分承知だろう。

 内心の自由を軸にしたとき、教育勅語を評価しようとする最近の動きと「共謀罪」法案はどこか重なって見える。

 父母に孝養を尽くし、兄弟姉妹は仲良く、夫婦は互いに思いやりを持って。他人に家に踏み込まれたような違和感。テロ対策の強化は当然だが、改正案が想定する犯罪は幅広い。社会が息苦しくならないか、議論が足りない。(増)

 

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