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国原譜

ベートーベンの交響曲第5番を「運命」と…

 ベートーベンの交響曲第5番を「運命」と呼ぶのは日本だけらしいが、有名な第一楽章の意味を尋ねられたベートーベンは「運命はこのように扉を叩(たた)くのだ」と答えたという。

 隣国からの災いは、この曲の始まりのように突然激しく扉を叩くのだろう。扉の内側にあるのは平穏な日常生活だ。叩かれれば、もはや居留守を決め込むことはできない。

 「弾道ミサイル落下時の行動について」。内閣官房の国民保護ポータルサイトにそんな文章が掲載されたのは21日だった。

 できるだけ頑丈な建物に避難、地面に伏せて頭部を守る。北朝鮮によるミサイル攻撃が現実になれば、着弾地に居合わせた人々の多くが自身の運命を呪うだろう。

 安倍晋三首相は米国の強行姿勢を評価するが、トランプ政権が発足して3カ月しかたっていない。あまりにも性急に事が運び過ぎていないか。

 万一にも北朝鮮のミサイルが着弾すれば、惨状とその後の展開は想像を超える。閣僚の失言が相次ぐ安倍政権の「緩み」は、米国が用意した「全ての選択肢」にためらいなく同乗する首相の姿勢とどこか通じる。(増)

 

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