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国原譜

昭和23年に国会で廃止が決議された「教…

 昭和23年に国会で廃止が決議された「教育勅語」。明治天皇自身の言葉とされたが、実質的には明治政府の幹部たちの手になる作文だ。

 今では難解な文語体の短文。少し苦労するが、読めば大体の内容は分かる。「夫婦相和シ」などごく当然の道徳に関する言葉もあり、その家族的国家観を評価する人も多いのでは。

 一方で「皇祖皇宗」「国体」「臣民」といった言葉は気になる。にじむ忠君愛国主義。明治23年の誕生から昭和20年の敗戦までで、やはり時代的役割は終わったのだ。

 先日の定例記者会見で、荒井正吾知事は「国家神道をほうふつさせるようなことを復興させるというのは時代錯誤」と述べた。勅語の歴史的意義は認めた上でだ。

 知事が言うように、現代は国家主導の教育ではなく、地方で知恵を絞って教育振興に取り組む時代だ。歴史的遺産としての過去の教育理念を踏まえて、将来への展望を示すことだ。

 近代的理念の一端だった教育勅語の前には近世までの理念もある。荒井知事が挙げた二宮尊徳、石田梅岩、藩校、寺子屋などなど、参考にすべきは他にもたくさんある。(北)

 

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