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国原譜

高校時代の苦い思い出である。学校から生…

 高校時代の苦い思い出である。学校から生徒の家庭へ事務連絡のはがきが来た。それを見るや、父がいきなり「おまえとこの学校、こんな程度の低い事務員を雇ってるんか」と怒った。

 あてなの字があまりにも稚拙だったらしい。「いや、それは生徒が書かされた。おれが書いたんやけど」。これを聞いて父は黙りこんでしまった。親不孝だ。

 エピソード2。奈良新聞に入社して新米記者のころ、デスクが筆者の原稿(手書き)を見て「お前、ちゃんと昼めし食ったんか」と質問してきた。

 実は忙しくて食べる間がなかった。「食べていません」と答えると、「そうだろ。だから力が入ってない、こんなヘナチョコな字になるんや」と怒鳴られた。

 当時は、汚い字の原稿だと読まれないで、ごみ箱直行もあったらしい。もっとも、注意した当のデスクが、社内三悪筆の一人だったというオチがある。

 悪筆はいまだに矯正できていないが、読む人の気持ちを考えて丁寧に書かなければ。美しい字は日本の文化だ。日本を代表する書家らの作品が一堂に会する「日本の書展」は22日開幕。(栄)

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