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国原譜

江戸時代、大和(奈良)の農民は比較的豊…

 江戸時代、大和(奈良)の農民は比較的豊かだったといわれている。天領(幕府領)が多く、大名領より年貢の取り立てが緩かったので財を蓄える余裕があったらしい。

 しかし、大和の農民一揆を扱った「芝村騒動と龍門騒動」(上島秀友・上田龍司著、青垣出版)を読んで認識を新たにした。過酷な年貢の取り立ては大和にも存在していたのだ。

 両騒動とも刑死や獄死などで農民に多くの犠牲者を出している。重い年貢がきっかけとなった封建時代の悲劇であるが、租税の明確性と公平性の大切さは現代にも通じる教訓だ。

 しかしながら、専門家以外、税についての知識を我々はどれだけ深く持っているだろうか。単なる「節税」の本ならあふれるほどあるけれども。

 ロック界の大御所、ミック・ジャガーは大学卒業して、本格的にミュージシャンになるか、それとも国税庁に就職するか迷ったらしい。英国での「税」の位置が分かる逸話だ。

 民主主義の根幹である租税。子どものころから、租税の意義や役割などを理解する教育を一層進める必要があるだろう。確定申告は16日から。(栄)

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