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昨年訪ねた県内のある市議会で、「政務活動…

 昨年訪ねた県内のある市議会で、「政務活動費は使わないことにした」と話す議員がいるのに驚いた。県議会では廃止論も出ているようだが、「自主規制」といったらよいのだろうか。

 自分では問題ないと思っているのに、返還を求めて住民訴訟を起こされる。それなら使わなければいいんだろう、という理屈。関西風に言うならけったくそ悪いということである。

 究極のオンブズマン対策だが、本末転倒は言うまでもない。条例の制定や改廃、自治体の燃料となる予算の決定、市民から出された請願の審査―。議会に認められた権限を行使するには幅広い見識が必要だ。

 調査研究には費用もかかる。政務活動費の趣旨はそこにある。オンブズマンがうるさいから、という心構えで臨むなら、政治家としてそもそもの志が問われるだろう。

 どのようにしてグレーゾーンをなくし、透明性を高めるか。腐心すべきはその一点で、ポイントを間違えると市民の政治不信はさらに高まる。

 政務活動費をめぐる富山市議会の問題発覚が、議員報酬の引き上げに端を発したことも忘れてはならない。(増)

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