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国原譜

調査面積ではエジプトやポンペイに肩を並…

 調査面積ではエジプトやポンペイに肩を並べるといわれた発掘調査が、かつて橿原市で行われた。

 縄文時代の集落跡として知られる橿原遺跡の調査が始まったのは昭和13年。調査面積は10万平方メートルに及び、現在の県立橿原公苑陸上競技場と佐藤薬品スタジアムがその場所だ。

 調査を支えたのは全国から集まった建国奉仕隊で、神武天皇即位2600年に伴う橿原神宮外苑整備の一環だった。

 国内の発掘史に残る調査となったが、あまりに大規模で研究者の苦労も多かったようだ。出土遺物の一部は重要文化財に指定されている。

 建国奉仕隊は延べ121万人に上り、外苑をはじめとする橿原神宮や神武天皇陵の整備は畝傍山の麓に広がる深い森を生んだ。約7万6000本が植樹され、約3割は各地から届けられた献木という。

 今年は神武天皇の没年から2600年の節目にあたり、「神武天皇2600年大祭」が4月3日に橿原神宮で営まれる。「じんむさん」の愛称で親しまれる春の神武祭も、イベントが目白押しだ。会場では、戦前にあったもう一つの2600年にも思いを馳せたい。(増)

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