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国原譜

天皇、皇后両陛下が、歴代天皇として初め…

 天皇、皇后両陛下が、歴代天皇として初めてフィリピンを訪問された。両国の友好親善を図り、太平洋戦争の戦没者を慰霊するためだ。

 両国の国交正常化60周年という節目に、絶妙のタイミングで行動された両陛下の識見と熱意が素晴らしい。最近の東アジア情勢に強い関心を抱いておられたこともうかがえた。

 太平洋戦争では日米両国がフィリピンでし烈な戦闘を繰り広げ、多大な犠牲者を出した。訪問先で陛下は「日本人が決して忘れてはならないこと」と述べられた。

 戦後70年。いわゆる「戦中派」世代が消えつつある中で、戦争を知らない世代にとって戦争体験者が残したものは、歴史の記憶を受け継いで行く大切な糧だ。

 フィリピンでの従軍体験を持つ作家、大岡昇平の一連の作品「野火」「俘虜記(ふりょき)」「レイテ戦記」もその一つ。これらが戦争体験の記憶を世界史の次元に引き上げた功績は大きい。

 2度の世界大戦の教訓は「恒久平和」だったはず。天皇、皇后両陛下のご訪問や戦争体験者の記録などを通して私たちが実現すべきは「あらゆる戦争の廃絶」である。(北)

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