特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

また、一人、激動の昭和を生きた人物が逝…

 また、一人、激動の昭和を生きた人物が逝った。「ゲゲゲの鬼太郎」など独自の妖怪物で知られる漫画家の水木しげるさんが30日、93歳で亡くなった。

 「鬼太郎」に出て来るねずみ男、砂かけばばあ、子泣きじじい、猫娘、一反木綿、目玉おやじ…、すらすらとキャラクターの名前が出てくるほど、時代や世代を超えた人気があった。

 妖怪ブームは、テレビ放映などでじわじわと広がり、それまで表には出てこないような陰の世界に生きる妖怪たちに“市民権”が与えられていった。

 実写版の「悪魔くん」も忘れられない冒険活劇だった。悪魔を呼び出す時の呪文「エロイムエッサイム…」は、当時の男の子たちに受けた。

 出身地の鳥取県境港市には2003年に開業した「記念館」を核に「水木しげるロード」が整備され、観光振興にも大きく貢献。妻・武良布枝さんのエッセー「ゲゲゲの女房」は10年、NHKの朝ドラとなり人気を集めた。

 自らの戦争体験に根差した作品も多く作られた。根底には平和を求める思い、この世の不条理や悪を許さないという決意が込められていたように思う。(恵)

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