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国原譜

夏の草引きは根気のいる作業だが、五條市…

 夏の草引きは根気のいる作業だが、五條市西吉野町の集落では、ヒツジが雑草退治に一役買っている。過疎と少子化で草刈りが追い付かず、ヒツジの“手”を借りることになった。

 ヒツジたちの出身地は山添村の「めえめえ牧場(まきば)」。一昨年は橿原市のJR桜井線でも、土手の草刈りにこの牧場のヒツジが活躍した。

 県内では、農業の機械化が進むまで、国中(くんなか)と呼ばれる奈良盆地と県東部の大和高原の間で毎年牛の大移動が行われていた。

 草地の豊かな高原の農家に牛を預け、必要な時期に戻してもらう。牛のリースも盛んで、農繁期にはたくさんの牛が奈良盆地に運ばれた。気候の違いによる農耕の時期差を利用していた。

 「奈良県謎解き散歩」(新人物往来社)によると、昭和27年の移動総数が854頭というから驚く。シーズンには、土産物を積み、盛装した牛の行列があちこちで見られた。

 平成の世に東山中(ひがしさんちゅう)から運ばれてくるのはヒツジだが、人を助けてくれることに変わりはない。暮らしの中の動物を考え、新たな関係を育む機会にしたい。(増)

 

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