東京―名古屋間の先行建設となっているリニア中央新幹線は大阪までの全線同時開業が関西の願い。中間駅の一つは「奈良市付近」が常識だ。

　だが、これに“横やり”を入れてきたのが京都府と京都市。近畿の他府県や関西経済連合会からやんわり注意されても、片意地な態度はなかなか崩れない。

　昨年12月に東京で開かれた第6回「三重県・奈良県リニア中央新幹線建設促進会議」で、来賓で関西広域連合の連合長として井戸敏三兵庫県知事が出席。三重・奈良ルート支持の表明だった。

　25日の定例記者会見でこの話を紹介した荒井正吾知事は「広域連合の中に京都府と京都市が入っていて、井戸さんは苦慮されておられると思う」と気遣った。

　ちなみに、荒井、井戸両知事は国で昭和43年4月の同期入省組。荒井知事は運輸省、井戸知事は自治省だった。近くで一緒に仕事をしたこともあるという。

　県が関西広域連合に参加していないため、どうしても耳目を集める両知事。連携・協力は当然だが組織問題は別、とする荒井知事の姿勢は不変だ。気心は知れているだけに、難しさもあるか。(北)