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金曜時評

真のオール民主を - 編集委員 増山 和樹

 民主党は岡田克也氏を代表とする新体制を発足させた。26日に召集される通常国会、春の統一地方選挙で民主党がどこまで存在感を発揮し、党の再生をアピールできるか、国民は注目している。

 代表選では、安全保障政策や他党との連携をめぐって3候補の立ち位置が異なり、岡田氏と細野豪志氏との間で暴露劇もあった。政権党時代に失った信頼を取り戻すには、確固たる民主党の政策を一刻も早く国民に示す必要がある。

 岡田代表は維新の党との合流について「現時点では到底考えられない」と明確に否定した。当然の選択だろう。政党は政権を目指すものだが、存在理由がぶれては野合に終わる。中途半端な対応は党の分裂にもつながりかねない。政策面でも「オール民主」を実現してこそ、野党連携の接続点が見えてくる。合流はその延長にあるべきだ。

 昨年12月の衆院選では、県1区の馬淵澄夫氏が、県内唯一の議席を守った。だが、県4区では元職が落選、2区と3区は候補者さえいない空白区だった。2区には生活の党元職が立ち、中央の調整で候補擁立を見送ったとされる。そんなことが許される県内事情ではなかったはずだ。支持者が投票の機会を失った影響は小さくない。

 統一地方選は目前に迫っている。岡田代表は他党との協力について、地域の自主性を尊重するとした。それ以前の問題として、県内の民主党に勢いが感じられない。知事選に続いて告示される県議選では、予想される顔触れを見る限り、新人の擁立が磯城郡の1人にとどまっている。維新が相次いで新人の擁立を発表するのと対照的だ。

 県内民主党の比例票は政権に就いた平成21年の衆院選で約35万票あった。前回24年には約9万5千票、昨年は約8万7千票で、自民党の半分にも満たない。

 代表選では、細野氏の地方議員票が岡田氏を上回り、県内でも細野氏1136票、岡田氏730票だった。馬淵氏が細野氏の推薦人に名を連ねた影響もあると思われるが、原点回帰ではなく新生民主、変わらねばならないという危機感が見えてくる。

 昨年の衆院選で本紙が行った世論調査でも、民主党への不信は根強く残っていた。顕著だったのは「裏切られた」との思いだ。自民1強他弱の“2012年体制”にどう切り込むか、国民をうならせる論戦を見せてほしい。

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