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国原譜

「風に置く七月尽の夏帽子」(小澤克己)。連日の暑さで…

 「風に置く七月尽の夏帽子」(小澤克己)。連日の暑さで帽子がないと外歩きはつらい。髪形も気になるが、命には代えられない。

 図書館での講座が終わって、机の下に置いたまま帽子を忘れて出た。照りつける太陽が、夏の友の存在を思い出させてくれた。戻って係の人に頼み、部屋を開けてもらい無事に戻った。

 冒頭の「風に置く」などというしゃれた着想には及ばず、せいぜい「ぼけが置く―」風情か。忘れ物が多いのは年のせいだけではない。何といってもこの暑さである。

 傘やハンカチ、扇子、バッグなどつい忘れたり落としたり。同様の人も多いに違いない。自分だけではないことを強調したいが「冬でも手袋を落としてくるね」と誰かに言われた。

 それでも財布はめったに落とさないので、欲の皮はたるんでいない証拠だろう。「みんみんの声高々と七月尽」(佐藤喜仙)。どんなに暑くともセミのようにたくましく、生きねばと思う。

 ともあれ7月も今日で終わりだが、まがまがしい事件や各地の紛争拡大など、まだひと山、ふた山ありそうな猛夏は続く。どなたさまも息災にて。(コ)

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