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だらだらと無気力に仕事をしていた市役所の市民課長が、…

 だらだらと無気力に仕事をしていた市役所の市民課長が、病気のため余命いくばくもないことを知り、生まれ変わったかのように懸命に最後の仕事に取り組む。62年前に製作された黒沢明監督の傑作映画「生きる」のあらすじだ。

 俗に役所仕事は「休まず」「さぼらず」「働かず」と言われたものだが、時代は移り、今はそうはいかないだろう。

 しかし、「前例がないことはしない」形式主義は、今もはびこっているのではないだろうか。が、数は少ないものの、新しいことにチェレンジする公務員の姿もある。

 全国の支援者5千人が復興への思いを込めて被災松にのみを入れた「あゆみ観音」の奉納法会が11日、岩手県陸前高田市で行われた。当麻寺中之坊の松村実昭院主が中心となった実行委員会が届けた。

 観音づくりは、葛城市の職員西川好彦さんが、復興支援で陸前高田市へ2カ月間派遣されたのがきっかけだ。派遣後も「被災地のために何かできることは」と常に考えていた西川さんの思いが実った。

 西川さんのように公務員の枠を破る人が多くなると、日本はもっと面白くなる。(栄)

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