特集奈良ラーメン探検隊活動中!

金曜時評

7氏のまま激突? - 編集委員 辻 恵介

 任期満了に伴う奈良市長選(7月14日告示、同21日投票)は、自民党県連(奥野信亮会長)の推薦候補として13日、元衆院議員の森岡正宏氏(70)が正式に名乗りを挙げたことで、選挙戦の構図がほぼ固まったようだ。

 森岡氏は出馬要請を受けてから、大いに悩んだという。しかし、出馬会見で語ったように「市政は地盤沈下を起こしている。参院選と同日の市長選で自民が不戦敗になることも、見て見ぬふりはできない」と“義”にかられての決断となったようだ。

 70歳という年齢、地方行政経験の点など外からは批判の向きもある。また、後援会など支援態勢づくりが急務で、課題を克服しながらの選挙戦突入となろう。

 さて、その市長選だが、過去6回の選挙戦の状況を調べてみた。(年齢は当時)

 ○平成4(1992)年9月20日執行は、前同市助役だった大川靖則氏(61歳、無新)が5万4646票を獲得し、坂本由朗氏(同)を破り初当選。投票率は29・29%。

 ○同8(96)年9月8日執行は、大川氏(64歳、無現)が沢田博氏(共新)を破り再選。投票率は30・01%。

 ○同12(00)年9月10日執行は、大川氏(68歳、無現)が寺本敏夫氏(無新)を破り3選。投票率は26・40%。

 ○同16(04)年9月5日執行は、無所属新人で前県議の鍵田忠兵衛氏(47歳)が、現職の大川氏(72歳)、日和佐穣甫氏(無新)を破り初当選。鍵田氏4万8255票、大川氏との差は3200票余り。投票率は36・77%。

 ○同17(05)年7月31日執行は、議会解散と市長辞職に伴う市長選と同市議選奈良選挙区のダブル選挙となった。この時は無所属新人で前県教育長の藤原昭氏(61歳)、鍵田氏(無前)、辻山清氏(諸新)の3人が立候補。藤原氏が7万2302票で鍵田氏に7千票余りの差をつけて初当選。市議選と連動し投票者数は15万人台となり、投票率は50・91%。

 ○同21(09)年7月12日執行の前回選挙も市長選・市議選の同日選挙で、市長選は無所属新人(民主推薦)の仲川元庸氏(33歳)が7万6707票を取って鍵田氏(無元)、小林照代氏(無新)を破り初当選。全国2番目の年少市長誕生で、投票率は56・12%。

 民主党政権の誕生も今は昔の話となった。奈良市民は今、現市政に対してどのような思いを抱いているのだろうか。

 同市長選には、森岡氏、現職の仲川氏(37)のほかに、いずれも新人で、県議の浅川清仁氏(58)=みんなの党、日本維新の会推薦▽元国交省職員の大野祐司氏(52)▽元市議の中村篤子氏(55)=共産党推薦▽市議の池田慎久氏(44)、市議の天野秀治氏(51)が立候補を表明している。

 現状では有力7氏による激突の様相だが、自民は公明党との連携がどうなるか、また民主がこのまま静観するのかなど、選挙の行方を左右する要素がまだ残っていて、目が離せない状況はまだ続きそうだ。

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド