2010年8月14日 奈良新聞
毎年、格別の思いに浸る「8月15日」。終戦から65年もたっても、風化させてはならない戦争の記憶を受け継いでゆく大切な日だ。
今も、世界のどこかで戦争は行われている。その性格はかつての第二次大戦というような世界規模のものではなくなり、地域戦の様相だ。戦争の「大義」も見えにくい。
ただ、「平和で先進的な日本」にあって、信じられないようなひっそりとした“戦争”もあるのだと教えられた。高齢者の所在不明問題で、奈良市では100歳の1人が不明のまま。
県内には100歳以上の高齢者が500人もいるという。当然ながら、あの戦争をくぐり抜けてきた人たちだ。語りたくない記憶も多いに違いない。
所在不明ではない人も含め、高齢者がどのように昭和20年以後を生きてきたかに注目したい。きっとどこかに、格闘を強いられた戦後社会のひずみが隠されているように思えるからだ。
あからさまには見えない社会のひずみが戦争を露出させるようなことがあってはならない。戦争体験者には、戦後のことも語ってほしいと願いつつ、静かに15日を迎えたい。(北)
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