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大切な1票行使を - 編集委員 辻 恵介

2010年7月9日 奈良新聞

 スポーツに関して、このところいろいろと考えさせられることが続いた。

 まずはサッカーから。日本チームの予想外の快進撃に列島が沸いたW杯サッカー南アフリカ大会も大詰め。優勝候補とされた国が早々に敗退したりして、決勝はオランダとスペインという欧州対決となった。

 大会前の練習試合などで連敗が続いて、岡田監督へのバッシングは相当ひどいものだったが、フタを開けたら健闘続きで予選リーグを突破、ベスト16という結果を残した。帰国時には手のひらを返したような大歓迎ぶりで、「勝てば官軍」とはよく言ったものだ。日本人の「体質」を垣間見たようで、あまりいい気はしなかった。

 続いて大相撲。野球賭博問題をめぐり、親方や大関の解雇にまで発展し、理事長ら執行部の一部が謹慎処分となった。理事長代行を外部の人間にすることにも内部で激しい抵抗があったようで、不祥事を乗り越えて本気で内から改革していくような姿勢は見られなかった。せっかくの好機なのに残念だった。

 そうした改革への姿勢の欠如が、NHKの生中継中止という事態にもつながった。同局に寄せられた意見の中で中継反対が68%だったというから、視聴者、国民が相撲協会の閉鎖的な体質に怒っていることが分かる。

 今後は「ごっつぁんです」という言葉に見られるようなゆるい金銭感覚をあらため、公益法人としての自覚を持ち、わきの甘さを見せないで、国技にたずさわる誇りを胸に、体質改善と再生への道を歩んでほしい。

 さて、参院議員選挙も大詰めに近付き、連日展開されてきた激しい舌戦もいよいよ残すところあと2日となった。

 7日付掲載の「参院選に関する本社世論調査」によると、県選挙区では民主党現職の前川清成候補(47)=国民新党推薦=が、実績をもとに優位を保っているものの、自民党新人の山田衆三候補(34)が激しく追い上げ、共産党新人の太田敦候補(38)が健闘という情勢が分かった。意中の候補者、政党をまだ決めていない有権者も3割いて、情勢はなお流動的な部分を残している。

 「候補者を選ぶ基準」に関する質問では、「政策」がトップの46%で、「政党・与野党の別」が30%、「人物・人柄」が22%だった。「政策」の内訳はトップが「消費税」の28%、「年金・社会保障」22%、「景気・雇用」20%と続いた。

 今回、菅首相の「消費税増税論議」発言から、消費税が一気に争点化したが、これは鳩山政権時の「政治とカネの問題」「普天間移設問題」を争点からはずすための作戦とみる向きもある。政治問題や課題に正面から取り組まず、あいまいにするような体質であれば、国民の信頼は得られまい。

 ともあれ、国の行方を左右する大事な選挙。各党の主張をよく吟味し、棄権することなく大切な1票を投じたいものだ。

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