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飛鳥京最大級の建物跡 - 浄御原宮外郭から【明日香】

2010年5月21日 奈良新聞

水路(中央)の発掘調査で見つかった柱穴(黒い丸印)を基に、南北2面にひさしを持つ建物を平面復元した図。左上が北。(県立橿原考古学研究所提供)

 明日香村岡の飛鳥京跡で、天武天皇(在位673~686年)が即位した飛鳥浄御原宮(きよみはらのみや)の外郭から、飛鳥京最大級の建物跡が見つかり、県立橿原考古学研究所が20日、発表した。天皇にかかわる建物と考えられ、同研究所は「大きさや柱の間隔の特徴から天皇が住んだ内裏の先駆けだったのではないか」としている。今後の周辺調査に期待が高まっている。

 吉野川分水の改修工事に伴い、昨年11月から今年2月にかけ、宮殿域のうち外郭を南西から北東へ斜めに横断する水路(幅約6メートル)のうち、南西部の延長200メートルを発掘調査した。

 内郭の北側西寄りの地点で、一辺1.7メートル以上、深さ1.7メートル以上に及ぶ大きな掘っ立て柱穴12基が見つかった。柱間は3メートルで、東西の両端がやや広い4.2メートルという特殊な構造。直径約40センチの柱が立っていたと考えられる。

 対角で柱穴を検出したことから想定復元ができ、最大で東西35.4メートル(11間)、南北15メートル(5間)で4面にひさしを持つ大型建物が考えられるが、南北2面ひさしの可能性もあるという。北東コーナーで石組みの雨落ち溝(幅80センチ、深さ1.2メートル以上)も見つかった。

 内郭正殿を上回り、飛鳥浄御原宮の大極殿と位置付けられているエビノコ大殿(おおどの=東西29.7メートル、南北15.6メートル)に匹敵するほどの規模。古代宮都に詳しい小沢毅・奈良文化財研究所遺跡・調査技術研究室長も「中央に天皇の座を置き得る大型建物」と指摘している。

 これまで外郭エリアは、役所街と考えられていた。調査を担当した鶴見泰寿主任研究員は「天皇にかかわる大型建物があったことは驚き。飛鳥京の調査は新たな展開の入り口に立った」と話した。

 現場は改修工事が終わっている。22日から6月4日まで、橿原市畝傍町の同研究所付属博物館フリーゾーンで、パネル展示「速報展 飛鳥京跡(第165次)の調査成果」を行う。

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