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立ち上がれ民主党 - 編集委員 辻 恵介

2010年4月9日 奈良新聞

 平沼赳夫元経済産業相らが目指していた新党結成が、現実のものとなってきた。7日には新党の名前が「たちあがれ日本」と決まり、政党要件を満たすための焦点だった5人目の現職国会議員として、自民党の中川義雄参議院議員が名乗りを上げた。

 新党の目的として、近く発売の月刊誌に寄せた論文で与謝野、園田両氏は「日本を没落の道へ導こうとしている民主党政権を打倒するため」と明確に強調している。顔ぶれは失礼ながら年配者が多く、若さや進取の気風を感じることは難しい。若手議員らが後に続くのかどうか、疑問符も付く。経済、外交、郵政などの主義・主張も異なる部分が多く、どうまとめていくのか心配する声も多い。党を支える資金の問題はどうなのだろうか。

 「政治とカネ」といえば、県議会副議長の要職にある田尻匠議員=民主党県連選対委員長、山辺郡・奈良市区選出=に宅地建物取引業法と所得税法違反の疑いが発覚した件は、新たな展開を見せている。

 平成18年に県内の医療法人が社宅を新築するのに大手ハウスメーカーを紹介して、工事費2365万6500円(税込み)の手数料3%70万9695円(同)を、同議員の支援者だった宅建業者に振り込ませた。この全額を、用意した郵便局の領収書などを持参して受け取っていた、というのがその流れで、本紙報道により明らかになった。

 6日の会見で田尻氏は、報道の「大手ハウスメーカーから、宅建業者を通じて紹介手数料の形をとって、現金70万円を受領した」ことを認め、所得等報告書に記載していなかったことも明らかにした。しかし、お金の性質については「仲介手数料ではなく、贈与」と言い切った。また、ハウスメーカーからの資金提供について「理由は分からないが受け取った」などと終始あいまいな説明を続けた。

 政治家は「理由が分からない」お金でも簡単に受け取るものなのか、というのが市民の素朴な疑問だろう。「政治とカネ」について、国民の目が厳しくなっている昨今、こんな対応をした「理由が分からない」。

 釈明会見の報道を見て、宅建業者は当時のいきさつを8日付本紙で詳細に証言し、「会見内容は虚偽」であると断言。「これは私の会社を利用した手数料の取得。会見で贈与などとウソを言っても、ハウスメーカーが『贈与・寄付をしていない』と言えば、すぐに行き詰まる」と結論付けた。さらに今日付の報道で、大手ハウスメーカーからも「贈与ではない」との証言が得られ、田尻氏の弁明の信ぴょう性は、ますます怪しくなった。

 6日の会見に同席した山下力・県議団長は「これ以上の調査は必要ない」とコメントし、幕引きを図ったが、事態は大きな広がりを見せている。説明責任を果たさぬまま、うやむやにしては、民主党らしくない。今こそ徹底調査して、県民にその内容を公表することが政党としての責務ではないだろうか。

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