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国原譜


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2010年3月24日 奈良新聞

 雨の日と晴れの日がめまぐるしく入れ替わり、いよいよ季節は春。本社近くの佐保川沿いの桜もちらほら咲き始め、花の季節になったと実感する。

 梅が終わり、桜へと花の主役は移ってゆくが、見逃しては惜しいのがツバキ。文字通り春の花として「椿」の漢字もある。万葉集にも詠われている。

 大昔から国内に自生し、華やかな花だと思うが、意外に人気がない。近世になるまで、和歌などにもほとんど登場してこなかった。もともと眺めて楽しむ花ではなかったのかもしれない。

 椿のほか、万葉集などには「海石榴」の文字も見える。桜井市周辺にあったという市場「海石榴市」も関係があるという。なぜ、これがツバキと読めるのか。

 欧米での新品種開発も盛んで、洋名「カメリア」は世界に羽ばたいている。折しも福岡県久留米市で国際ツバキ会議が開催中(24日まで)で、世界の愛好家が集う。

 だがやはり、日本のツバキを大切にしたい。大昔からあったが、記紀・万葉で初めて文字になった。平城遷都1300年祭の年の春に、いま一度ツバキに目を向けてはどうか。(北)

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