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iPS細胞から腸 - 県医大、臓器は世界初

2010年3月11日 奈良新聞

iPS細胞から腸をつくる過程を説明する中島祥介教授=10日、橿原市四条町の県立医大付属病院

 あらゆる組織や臓器の細胞になることができるとされる新型万能細胞(iPS細胞)から「腸」をつくることにマウスで成功したと、奈良県立医科大学(橿原市四条町)の中島祥介教授(消化器・総合外科学)らのグループが10日、明らかにした。

 iPS細胞から臓器ができたのは世界初という。治療が難しい炎症性の腸疾患や、先天的な運動異常症などの病態の解明、治療法の開発にも役立つとしている。18日から広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 iPS細胞は、患者自身の細胞から作製して治療に利用できれば、拒絶反応が回避できる。

 10日夕、大学付属病院で記者会見した中島教授は「小腸はほかの臓器よりも拒絶反応が強く、移植が難しいが、本人のiPS細胞でつくった小腸なら成功しやすい」と強調。一方で「今回はマウスでの実験で、人に応用するにはまだハードルが高い」とも説明した。

 中島教授らは、マウスのiPS細胞を液体中に浮かんだ状態で培養するなどして、管状(長さ約5ミリ、直径約2ミリ)の腸のような組織をつくった。この組織は、腸の中の食べ物を移動させるのに必要な「蠕動(ぜんどう)運動」と呼ばれる収縮をしているほか、粘膜や筋肉、神経細胞などが腸と同じ層構造を持っており、「機能も形態も本物と同じ」(中島教授)という。

 iPS細胞は京都大の山中伸弥教授が開発。病気になった臓器を再生、修復する医療に有用と世界的に期待されている。

 中島教授はまた「たった1日の条件の違いで(組織に)なることに驚く。発見時は喜んだし、偶然のたまもの。ES細胞(胚性幹細胞)でできることが(より拒絶反応の回避できる)iPS細胞で再現できたことが重要」と話した。

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