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難病乗り越え夢へ - 県内公立高校卒業式

2010年3月2日 奈良新聞

卒業式に出席する永田美羽さん(中央)=1日、宇陀市大宇陀区迫間の大宇陀高校

 県内の公立高校で1日、卒業式が行われ、恩師や在校生に送られた卒業生が通い慣れた校舎を巣立った。全日制は県立、市立合わせて34校。昨年5月1日現在の在籍者は約8600人。

 宇陀市大宇陀区迫間の県立大宇陀高校では、難病を抱える永田美羽(みゆう)さんが級友とともに卒業した。

 永田さんは神経繊維腫瘍(しゅよう)という遺伝性の病気を抱えた上、生後間もなく10万人に1人の確率という先天性脛骨擬関節症を発症した。骨折が治らず歩けなくなる恐れもある難病で、日本で初めての患者。両親と祖父母は各地の病院を探し、2歳でようやく手術を受けることができた。

 高校2年の夏に再手術。怖さもあったが、入院前日に観戦した高校野球県大会で、勝利を目指して全力プレーを繰り広げる同校野球部から勇気をもらった。入院は4カ月間に及んだが、級友からの「早く学校に来て」という言葉に励まされた。

 入院中に思い出されたのは、小学校のときに亡くなった母のことだった。母も自分と同じ神経繊維腫瘍だった。「私はベッドのお母さんを見守ることしかできなかった」。いつしか間近で働く看護師の仕事に興味がわいていた。

 高校卒業後は県内の病院で看護助手として働き、看護学校の学費をためるという。「これまでの治療に、すごくお金がかかっている。働いてお父さんに恩返ししたい」。今も時折、夢に現れる母は「頑張りや」と言うように微笑んでいるという。

 「病気は苦しかったし、お母さんの命を奪った。でも、その半面、看護師になるという夢も与えてくれた。自分はまだ恵まれている。世界には治療方法もない難病があり、医師や看護師不足で亡くなる人もいる。そんな人を助けたい」

 両親が願いを込めた名のように、卒業式は美しい羽を広げて夢に向かって飛び立つ日となった。

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