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保護対象に希少12種 - 県条例4月に施行

2010年2月24日 奈良新聞

カスミサンショウウオ

ナゴヤダルマガエル

 県内に生息・生育する貴重な野生動植物の保護を目的として「県希少野生動植物の保護に関する条例」(全53条)が4月に施行されるのに伴い、県は保護対象の「特定希少野生動植物」として、絶滅寸前種のカスミサンショウウオやナゴヤダルマガエルなど12種を候補種選考した。縦覧期間(3月4日まで)を経て、年度末に告示する。指定種は捕獲・採取が規制され、違反者には1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる(第49条規定)。

 同条例は、「絶滅のおそれのある野生動植物の保存に関する法律」(通称・種の保存法)の施行(平成5年)に伴い、県が昨年3月に全国29番目に制定。指定種選考は同年11月から県希少野生動植物保護専門員会議が取り組み、今年1月6日に県自然環境保全審議会に諮問。同月25日に審議会は異議がない旨を答申した。

 県内ではおよそ9000種の動植物生息が確認されているが、希少野生動物種は12%に当たる1115種。うち絶滅寸前種は290種となっている。

 選定の基本方針は、個体数が著しく少ないか減少▽生息地や生育地、またはその環境が著しく悪化▽過度の捕獲や採取が進んでいる▽外来種による捕食、生態系競争の影響を受けている―など。さらに、県版レッドデータブックの絶滅寸前種になっていて、県の自然環境の特性を象徴するなどの要件を踏まえ、「特定希少野生動植物指定案」をまとめた。

 指定候補に挙がったのは、動物がカスミサンショウウオ(サンショウウオ科)、ナゴヤダルマガエル(アカガエル科)、ニッポンバラタナゴ(コイ科)、コサナエ(サナエトンボ科)、ヒメタイコウチ(タイコウチ科)の5種。植物はヒメイノモトソウ(イノモトソウ科)、オオミネイワヘゴ(オシダ科)、キレンゲショウマ(ユキノシタ科)、カツラギグミ(グミ科)、カワゼンゴ(セリ科)、ニセツクシアザミ(キク科)、ツクシガヤ(イネ科)の7種。

 カスミサンショウウオはかつて県内の丘陵や山麓地に広く分布していたが、現在は春日山や矢田丘陵にわずかに分布。ニッポンバラタナゴも県内で確認されているのは奈良公園の1地点といい、コサナエも下北山村に二つの産地があるのみ。宅地開発や雑木林の伐採、水質汚濁や外来種の捕食で個体が激減。植物もシカの食害や採取、植生環境により消滅が危惧(きぐ)されている。

 県自然環境課、または県のホームページで縦覧でき、異議がなければ指定される。

 同条例には、指定種の繁殖や開花、結実期に生息(育)地への人の立ち入りを原則禁止とする「立ち入り制限区」など指定区域の選定(第21~29条)も盛り込まれているが、県は「地元への啓発や同意が必要であり、将来的な課題」としている。

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