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古代のリサイクル - 古墳時代の井戸枠出土【天理・小路遺跡】

2010年1月29日 奈良新聞

井戸枠の側板に再利用された扉材=天理市小路町の小路遺跡(同市教育委員会提供)

 古墳時代中~後期の集落跡、小路遺跡(天理市小路町)から、6世紀末から7世紀前半の木製井戸枠が見つかった。調査した天理市教育委員会によると、側板の一部に扉とみられる木材を使用しており、建築廃材の再利用らしい。貴重な資源を有効活用した、当時の「リサイクル精神」がうかがえる。

 道路建設に伴い、昨年11月から約300平方メートルを調査した。

 井戸枠は約60センチ四方、長さ約315センチ。4本の柱にほぞ穴を開けて縦横互い違いに横木を組み、側板を取り付ける構造だった。

 側板に使われた扉材は長さ約110センチ、幅約70センチ、厚さ3~4センチ。回転軸とみられる突起があり、「観音開き」の扉だった。やや小さいものと計2枚あった。他にもほぞ穴が開けられた側板があり、扉以外の建築材も転用されたとみられる。

 木材加工品は貴重品で、飛鳥時代以降の宮殿でも建築材の再利用が一般的だった。地中に埋められる井戸枠も廃材の再利用が多く、丸木船の使用例もある。扉の転用例も古墳時代中期の楠遺跡(大阪府寝屋川市)や同時代中・後期の私部南遺跡(同交野市)などで報告されている。

 また、井戸底からは完形をとどめた土器の壺などが出土。弥生から古墳時代の井戸跡で同様の例が多く、井戸祭祀(さいし)が行われた可能性があるという。周囲には多数の土坑(こう)や柱穴、素掘り溝も見つかり、何らかの建物があったとみられる。

 調査を担当した同市教委文化財課の石田大輔主事は「集落の一部分の姿をイメージさせる成果。集落内の建物にあった扉を再利用したのでは」としている。

 現場はすでに埋め戻され、現地説明会の予定はない。

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