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金曜時評

けじめなきを憂う - 編集委員 辻 恵介

 先日、今年の流行語大賞が発表され、栄えあるトップテン、年間大賞には「政権交代」が選ばれた。世の中の「景色」が大きく変わったという点では、文句なしの選出だろう。

それほどまでに民主党政権の誕生の意味は大きく、政治の仕組みや手法が激変している。従来型のやり方とは違うだけに、世間の人々も何が起きているのか、ついていくのに必死、といった側面もあろう。

 一方、野党となった自民党だが、まるで元気がない。党名変更などといった話も浮上したが、衆院選挙での敗因が何であったのか、全く理解していないとしか言いようがない。こんな小手先のことを考えているようでは、党の建て直しはいつまでたっても実現不可能だろう。

 野党になると「人が来ない、情報が来ない」といった寂しい状況になる、といった話を以前、テレビで見た記憶がある。もちろん、これに台所事情の厳しさがプラスされる。こう書いているだけでも辛くなる。

 だが、これにめげずに苦難を乗り越えた時、新しい時代が切り開かれるものだ。逆に言えば今がチャンス。与党に負けずに、党勢建て直しのためにやるべきことを「仕分け」し、優先順位をつけてコツコツやっていくしか、信頼を回復する道はないのではないか。

 そういう意味で日々の活動が何より大事。地元に今まで以上に密着し、支援者を増やしていくしかあるまい。なのに、自分のホームページの公式サイトの最終更新日が「10月1日」で止まったままの前議員がいるのには、びっくりさせられる(12月10日正午現在)。同党県第3選挙区支部長でもある奥野信亮氏のことだ。

 「冒頭(トピックス)」では衆院選での支援に対する支持者らへの御礼あいさつ(9月)があり、「プロフィール」の欄では「2009年9月 第45回衆議委員(ママ)総選挙にて涙を呑むも再起をかけて奮闘中!」とあり決意が伝わってくる。だが問題なのは、肩書きが「衆議院議員」のまま、国会事務所の住所や電話番号もそのままである点だ。

 誤った情報を、放置しておくのはいかがなものか。国会事務所で奥野氏の後に入居し、使っている議員さんにも迷惑をかけてしまうのではないかと余計な心配までしてしまう。

 こんなことでは、本当に再起を期すのかどうか疑われてしまう。「毎日、情報発信を」などと、そんな無茶なことを言っているのではない。けじめができていないと、思われてしまうのが残念だからだ。ご本人にとっても不本意だろう。周囲の誰も忠告していないとしたら、それもまた悲しい。同じ3区の服部恵竜・県連幹事長はご存じないのだろうか。

 次期参院選候補者の選考も大詰めのようだが、それ以前に組織としての足場が固まっていない点を憂慮する。県連執行部の指導体制を問う声も強まっている。

 インターネット全盛の時代。たかがネット、されどネット、おろそかにすべきではない。

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