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晩節汚すな服部氏 - 主筆 甘利 治夫

2009年12月4日 奈良新聞

 先の衆院選で惨敗し、党勢立て直しが急務となっている自民党県連(会長・田野瀬良太郎党総務会長)の次期参院選候補選びが6日の選考委員会(委員長・服部恵竜党県連幹事長)によって、8人にまで絞り込まれた候補者の面接を行い、1人を選ぶという。年齢も性別も明らかにされていないが、どのような結果になるか注目している。

 候補者選びも大切だが、肝心の組織再建がおろそかになってはいないか。

 参院選まで時間がないことは分かるが、県連が今のままであるなら、選挙に勝てるとは思えない。総選挙惨敗の総括がどこまでできたのか見えてこないし、今年の流行語大賞となった「政権交代」の風に敗れたなどと、言ってはなるまい。

 党中央も麻生太郎総裁は即刻辞任し、三役も一新した。与党時代と違って、存在感は希薄で迫力不足も否めないが、新総裁に就任した谷垣禎一氏なりに、再建に向けて始動している。その三役の一員に県連会長の田野瀬氏が就任、党再建に汗を流しているところだ。その田野瀬氏は、惨敗の責任を取って県連会長を辞任するとしたが、役員らの総意で慰留され、続投を決めた経緯がある。

 ところが他の役員はどうか。会長代行の米田忠則氏、幹事長の服部氏などは、公式には責任問題が不明確だ。

 これまでから指摘してきたように、幹事長の要職にある服部氏の一連の反党的行動をとってきたことの責任は免れない。県連組織を弱体化させ、総選挙の結果は惨憺(さんたん)たるものだ。「民主の風」による敗北などという責任転嫁は許されない。

 昨年4月に、自民党県議団を分裂させ、7人で「自民党改革」なる会派を立ち上げた。いつ解散されるか不透明な時期に、幹事長の服部氏が“反党行動”をとったのだから、批判を浴びた。言葉とは裏腹に、県議会議長のポスト欲しさの分裂劇で、党のことなど考えていない。この1年有半、どのような「党改革」をしてきたのか、教えてほしいものだ。

 幹事長がこれでは、党の結束などありえないし、「民主の風」がなくとも、総選挙の敗北は予想された。

 逆風のなかで、会長の田野瀬氏は自らが4区候補として戦い、議席を確保して面目を保った。また2区の高市早苗氏も、小選挙区で惜敗したが、民主旋風のなかで前回票を上乗せするという健闘ぶりで、復活当選を果たした。前回敗れた1区は、副大臣にも就任した民主・馬淵澄夫氏が圧勝し、連続しての敗北だった。

 こうしたなかで3区は、奥野信亮氏が完敗。父親の誠亮氏以来、46年間続いた「奥野」王国が崩れた。地元御所市をはじめ選挙区の4市7町すべてで敗北という惨敗だった。この3区を選挙地盤とする服部氏(北葛城郡)や丸野智彦氏(大和高田市)、奥山博康氏(香芝市)の分裂組3人がおり、そして会長代行の米田氏(大和高田市)もいての惨敗だった。候補者への批判もあるが、党組織はバラバラだった。

 総選挙敗北の責任の筆頭にある服部氏が委員長になって、次期参院選の候補者選びというから、使命感に燃えて公募に応じ、最終面接に残った8人の皆さんも複雑な思いだろう。審査、面接する側の“仕分け”はしなくてもよいのかと思う。

 会長職を続投する田野瀬氏は、会長権限で県議団の統一を命令したらどうか。口先だけの「党改革」だったことが明らかな今、分派行動した服部氏らの処遇も明確にすべきだ。

 県議10期の最多選で、79歳という長老でもある服部氏に、正面から意見する人が誰もいないのだろう。これまでは言葉巧みに、その場をしのいできたかも知れないが、地元紙で35年間ペンを持ち、その性格や動静を見てきたから、晩節を汚すことなかれと言いたい。

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