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堤と木樋を発見 - 改修4回、400年維持【高取の薩摩遺跡】

2009年11月26日 奈良新聞

ため池から水を引いた長さ約15メートルの木樋(取水部は左手前)=25日、高取町薩摩

 高取町薩摩の薩摩遺跡で、奈良時代から平安時代にかけて造られたため池の堤と、導水管として使われた木樋(もくひ)が見つかり、25日、県立橿原考古学研究所が発表した。古代のダム式ため池の全体像をとらえた発掘調査は県内で初めて。400年間にわたって維持されており、地域の営農を物語る貴重な史料だ。

 国道169号高取バイパス建設工事に伴う発掘調査。昨年の調査で取水部が見つかり、続けて調査した。

 ため池は自然の谷を利用。堤は、東西両サイドの尾根が張り出して幅約40メートルまで谷が狭まる地点を選び、断面が台形になるように盛り土を行って築かれていた。

 堤高約1.2メートルに対して底面幅は約14メートルあり、木樋が堤を貫いていた。ため池に土砂が堆積すると、木樋はより上部に造り替え。12世紀ごろまでの約400年間に計4回改修された。

 3度目の改修は9世紀前半とみられ、スギ丸太2本をつなげて長さ約15メートルに延ばした木樋が良好に残存していた。

 幅約50センチ、厚さ約30センチで中央をくり貫いてU字型の溝状にしている。木樋の上にかぶせていたふたは残っていなかった。スギ皮を使った水漏れ防止策などが施されていた。

 昨年出土した木簡から、渡来系氏族で村長クラスの「檜前主寸(すぐり)」が池を築造したことが分かっている。

 現地説明会は28日午前11時~午後3時。午前11時と午後1時に担当者が説明する。少雨決行。現場は近鉄市尾駅から徒歩15分。駐車場は用意しない。

 工楽善通・大阪府立狭山池博物館長(考古学)の話 古代のため池として最高レベルの手本的な造り方だ。池の全容が分かった数少ない例であり、今後に生かされるだろう。

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