田野瀬に危機感も - 選挙区を行く・衆院4区【09衆院選】
2009年8月14日 奈良新聞
自民党前職、田野瀬良太郎(65)の事務所の壁には、今年も県内市町村長から贈られた必勝を祈る「為(ため)書き」が並ぶ。
国政、首長、県議、そして市町村議まで、選挙が行われる度に、現職が現職を応援する形で「自民」が増強した“与党選挙”。6選を目指す田野瀬陣営に漂う危機感には、こうした選挙の形の「揺らぎ」も影響している。
過疎地域など財政力が弱い市町村にとって、地方交付税や国・県が主体となる道路工事などの事業は地域を維持、発展させるための頼みの綱。国に陳情する立場の首長や議員らの与党選挙を、これまでは有権者も見守ってきた。
しかしこの夏、全国的に風潮は「政権交代」へ―。選挙後の国の動向をにらみ、行政のかじ取りを担う首長や各種団体の動きが鈍る事態が予想される。
地区の選対本部長を務めるある首長は「田野瀬氏個人としての力が必要。比例はともかく小選挙区は支持を」と訴える。
陣営は、5期16年の実績と本人の政治力を強調。選挙区内全域に張り巡らせた後援会組織の掘り起こしや中小企業経営者層での新規開拓に意欲的だ。景気対策予算への好感触が明るい材料だ。
一方、もともと自民だった前田武志参院議員(民主党)の秘書を14年間務め、民主新人で立候補する予定の大西孝典(53)の陣営は「自民の選挙の強さは知っている」と気を引き締めて臨む。
立候補を表明した昨年9月時点では「出遅れと知名度不足で勝ち目はなかった」と認め、「非常に運が良かった」と先延ばしされた解散を喜ぶ。
この間、連日繰り返した駅立ちなどの活動で「国政レベルの選挙の候補者として認知されてきた」と手応えを得ている。
大票田・橿原市の市長選、市議選も伏線。平成17年の衆院選で自民・田野瀬と戦った森下豊が2年後の市長選で自民系現職を破って当選。今年2月の市議選では民主公認候補が1、2位当選を決めている。
さらに、全国的な「民主の風」の勢いにも乗りたいところだが、やはり4区は保守地盤で、「まったく風を感じない」と陣営。まだ潜在的な“与党選挙の崩れ”をどれだけ取り込むことができるか、民主の力量が問われる。
今回初めて、共産党が4区での候補者擁立を見送った。反自民票としての取り込みを狙うのは民主。
政治団体・幸福実現党新人、赤松明宏(52)は、立候補を決意した5月下旬以降、国防政策の重要性などを駅前等で訴えてきた。団体中央で候補者擁立か断念かをめぐって動きがあり、13日現在、進退については確認がとれていない。(文中敬称略)
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