揺らぐ王国、奥野逆境 - 選挙区を行く・衆院3区【09衆院選】
2009年8月13日 奈良新聞
3選を目指す自民党前職、奥野信亮(65)は地元で逆風に見舞われている。御所市経済界の重鎮と建設会社会長の有力企業トップ2人が“反奥野”で対立候補予定者の応援に回っており、かつての「保守王国」では考えられなかった事態だ。
先の県議選、御所市長選に絡む政治的な理由のほか、個人的な確執もあるとみられる。これを象徴例として奥野の求心力の低下が気にかかるが、ある市議は「信亮氏は立派な政治家なのだが、周囲はどうしても(偉大な)親先生(誠亮氏)と比較してしまう」と同情する。ただ、御所市内には誠亮氏以来の熱心な奥野支持者が多いだけに、反奥野への反発も出ているという。
3区の強固な後援会組織である奥野会も、先の広陵町長選での保守分裂など、ほころびが出てきている。陣営も「背水の陣」と危機感を持って組織の修復を図っている。今月2日の大和高田市後援会決起大会では「高田は奥野が必要です」と掲げた。吉田市長らは46年間築いてきた“奥野ブランド”の中央政界での力を説く。
衆院解散後、奥野は“ドブ板行脚”に徹して「党改革派の奥野」を訴えている。これまでにない逆境が、奥野ブランドの底力を発揮する起爆剤になるか。
対して、民主党新人、吉川政重(45)は「最後のチャンスという覚悟。2度戦って信任が得られなければ私の立場はない」と決意を固める。県議を辞して臨んだ前回選挙は、小泉旋風を押し返せず苦杯のなめた。この4年間は街頭で声をからし、知名度アップに努めてきた。「自民が議席を守ってきた、この3区に風穴を開ける意義は大きい」と意気込む。
7月19日の香芝市での決起集会には約800人、今月1日の鳩山代表応援の3区街頭演説は約1500人を集めた。前回大差を付けられた御所市や葛城市などでも支持基盤が拡大、推薦も連合など従来の支持団体のほかに今回初という企業、団体から集まっている。「前回と全く様相が違う。大きな期待感、関心の高さを感じる」(陣営)。
控え目な印象もあるため「『もっと元気出せ、あつかましく振る舞え』としかられている」(陣営)。だが、幹線道路沿いに立って、声を振り絞る姿も板についてきた。公示後も、街頭に姿をさらすスポット演説中心に運動する。
共産党新人の豆田至功(56)は平成16年の参院選以来2度目の国政挑戦。「悪政の自公政権を終わらせ、国民が主人公の社会」の実現へ、精力的に街頭演説に臨む。
選挙区は違うが、昨年7月に下市町で市田忠義・党書記局長を招いた演説会は、多くの郡部町村議らの参加で盛り上がった。これまで「保守支持」とされていた中山間地域の住民も林業の衰退、医療不安などで政治の流れを変えたいという思いは強い。党もそれを重視し、小選挙区候補を立てていない地域にも力を入れている。
政治団体・幸福実現党新人の尾崎貴教(27)は、知名度不足や出遅れ感は否めないが、駅立ちなどで地道に政策を訴えている。
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