法隆寺西院伽藍[斑鳩町]

聖徳太子の冥福を祈って造られた釈迦像。神秘的なほほ笑みを浮かべ、参拝者を迎える。

創建時の姿再び ほほ笑み照らす

伝えたい大和 1300年の彼方から

本殿する南に高くそびえる中門
金堂内部

昨年末、発光ダイオード(LED)を使った照明設備が設けられ、本尊の釈迦三尊像や四天王像がくっきり鮮明に拝観できるようになった金堂内部

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悠久の時を超え太子の遺風を伝え、そびえる五重塔(左)と金堂

 斑鳩の里に建つ法隆寺(大野玄妙管長)は世界最古の木造建築を今に伝え、永遠の微笑をたたえる古仏が私たちを迎える。平成五年、日本で最初にユネスコの世界遺産に登録された。用明天皇が自らの病気平癒を願い寺と仏像を造ることを発願。念願果たせず崩御したものの、その遺志を継ぎ推古天皇と聖徳太子が推古天皇15(607)年に完成させた。
 寺は五重塔と金堂を中心とする西院伽藍(がらん)と夢殿を中心にした東院伽藍に大別され、その広さは約18万7千平方メートル。飛鳥時代をはじめ各時代の粋を集めた建築物が軒を連ね、数多くの宝物類が伝来する。国宝・重文に指定されているものだけで約190件、点数にして2300余点に及んでいる。今回は昨年末、修理を終えた金堂を中心に西院伽藍を紹介する。
 寺の正面にあたる南大門を入ると、中門と五重塔が見える。まるで額縁に収まる一枚の絵を見るように整った姿は心地よい。さながら「古代への時空の旅」の始まりを予感する。塔の東に金堂が向かい合い、中央奥に大講堂がどっしりとたたずむ。塔の高さは約34メートル。当時の最先端技術の集大成であり、風雪に耐えて1300年の歴史を伝えている。
 釈迦三尊像をはじめ薬師如来像、四天王立像など10数体の仏像を安置する金堂は昨年末、約20年ぶりに創建時の姿に戻った。ひび割れていた須弥壇は見違えるように美しくなり、奈良国立博物館に預けていた台座や天蓋(てんがい)も修理を終え元の位置に戻された。発光ダイオート(LED)を使った照明設備も整い、仏像群や再現壁画がくっきり浮かび上がった。
 多くの人々の努力の積み重ねで守り継がれてきた伽藍。新年度からは薬師三尊像を安置する大講堂の瓦のふき替えと部材の修理を行う。全面ふき替えは約70年ぶりという。

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世界遺産

 法隆寺は法起寺とともに平成5年、「法隆寺地域の仏像建造物」=写真(左端が夕日に染まる法隆寺五重塔)=としてユネスコの世界遺産に登録された。
 県内には他に東大寺や興福寺、春日大社などが「古都奈良の文化財」として同10年、「紀伊山脈の霊場と参詣道」の一部として吉野山エリアが同16年に登録されている。また藤原宮跡など「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」が4番目の世界遺産候補として暫定リストに名を連ねた。



法隆寺

住所 斑鳩町法隆寺山内1—1
電話 0745(75)2555
拝観時間 午前8時—午後4時30分(11月4日—2月21日)
午前8時—午後5時(2月22日—11月3日)
拝観料 一般1000円、小学生500円
(西院伽藍内、大宝蔵院、東院伽藍内共通)
交通 JR法隆寺駅から徒歩約20分。または同駅から「法隆寺門前」行きバスで終点下車すぐ。
JR・近鉄奈良駅などから奈良交通バス利用で「法隆寺前」下車
地図

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